模倣できない魅力ルイ・ヴィトンの歴史
天才的なブランドの創始者ルイ・ヴィトン
ブランド名である、ブランドの創始者「ルイ・ヴィトン」が生まれたのは、200年以上前の1821年。日本は江戸時代後期、フランスではセントヘレナ島に配流されたナポレオン・ボナパルトが亡くなった年でした。
彼はジュラ地方アンシェイ村に生まれましたが、家族と折り合いが悪かったため、16歳になると遠く離れたパリへと旅立ちます。その長い旅路の間、ヴィトンは様々な旅行鞄へのアイデアを思いつき、それがブランドの原点となります。
パリでヴィトンはトランク職人に弟子入りします。当時の移動手段は馬車や船でしたが、旅行者の荷物は非常に手荒く扱われるため、保護するために堅牢なトランクが必要でした。トランク職人は、顧客それぞれ要望に合わせたトランクを特別注文で製造していたのです。顧客のニーズを読み取り、アイデアを形にする能力があったヴィトンはトランク職人として成功し、自らのアトリエをヌーヴ・デ・カプシーヌ通り4番地に構えます。
ヴィトンはその後、革新的な商品を次々と生み出しました。主要な移動手段が馬車から鉄道に移ったため、蓋の丸いものではなく、平らなトランクを、さらに、堅牢で軽いトランクを販売し、フランス王室もヴィトンの商品を愛用しました。
モノグラム誕生とルイ・ヴィトンと日本の意外な関係
一代で人気ブランドになったルイ・ヴィトンですが、その人気ゆえに粗悪な模倣品が市場に出回るようになります。ヴィトン側は模倣品と差別化するために、新しいデザインの商品を作りますが、それすらも模倣されてしまいます。例えば、現在もヴィトンの代表的なデザインである、チェックに近い四角形の柄の「ダミエ」。2代目のジョルジュが日本の市松模様にヒントを得て生み出したデザインですが、これもシンプルであったため、模倣されてしまいます。
模倣品を撲滅するために、生産効率よりも希少性を重視することを決め、再びジョルジュがデザインしたのが「モノグラム」です。日本の家紋をヒントにしたデザインで、ルイ・ヴィトンの頭文字である「L」と「V」、花と星のシンボルが並びます。当時は、モノグラムの模倣は困難だったため、模倣品は激減します。それは、ルイ・ヴィトンの人気をさらに高める結果となりました。
「モノグラム」は、多くの顧客が信頼をよせる品質の高いルイ・ヴィトンの商品を象徴するデザインとして、現在でも多くの商品に採用されています。
現代女性のニーズにマッチするネヴァーフル
ネヴァーフルが販売されたのは、2007年のこと。10年以上経ちますが、現在でも新商品が出される人気のトートバッグです。
人気の秘密はその機能性。ネヴァーフルとはNeverfull 。その意味は、“どんなに荷物を入れてもいっぱいにならない”で、A4サイズの書類も楽々入ります。さらに、堅牢なトランクの遺伝子を受け継ぐルイ・ヴィトンらしく非常に丈夫な作りで、華奢なハンドルにも関わらず、100㎏の荷物も入れることも可能です。それでいて、非常に軽く、長時間持ち歩いても苦になりません。
多くの女性がビジネスシーンで使える、機能的で頑丈で美しさを兼ね備えたバッグを求めています。そんなニーズを完璧に満たすのがネヴァーフルなのです。
ネヴァーフルの人気素材
ネヴァーフルの主な素材をご紹介します。
ダミエのキャンバス
茶色だけではなく、白と黒もありますが、人気なのは茶色。日本人にとって親しみを感じられる品のある柄です。コーティングされたコットンのキャンバスで作られています。
モノグラムキャンバス
ネヴァーフルに限らず、ルイ・ヴィトンのバッグの中で最も人気が高い素材であるモノグラムキャンバス。他のレザー素材と比較して、耐久性と吸水性が優れています。
エピレザー
植物染料で処理された硬く丈夫なレザーで、モノグラム、ダミエについで人気があります。カラーによって印象が大きく変わり、独特の質感が目を惹きます。非常に丈夫でありながら柔らかく、持ちやすいのも特徴です。
モノグラムアンプラント
出典:GINZA LoveLove |ルイヴィトン トートバッグ モノグラムアンプラント ネヴァーフル
上質なカーフレザーで作られたモノグラムアンプラントは、丈夫でお手入れがしやすく、使い続けると味がでてきます。他のキャンバス製と比較すると、少し重いです。
ネヴァーフルのサイズと価格の目安
出典:ルイ・ヴィトン・ナビ!|ルイ・ヴィトン【LOUIS VUITTON】 ネヴァーフル コレクション
ネヴァーフルのサイズは以下のように、PM、MM、GMの3種類です。今回はモノグラムキャンバスの製品の価格で比較いたします。
PM
29×21×12cm
公式オンラインサイトでの価格:184,800円(2021年7月現在)
書類やデジタル機器などを普段から持ち歩く方には物足りないサイズですが、財布、化粧ポーチ、スマホ、手帳などを入れるなら十分余裕のあるサイズです。大きすぎないので圧迫感がなく、仕事用だけではなく、お出かけ用にもちょうど良さそうです。
MM
31×28×14cm
公式オンラインサイトでの価格:194,700円(2021年7月現在)
ネヴァーフルの最もスタンダードなサイズです。PMと比較すると、高さが大きく異なり、それだけその名にふさわしい収納力を誇ります。普段から荷物が多めな方でも、このバッグ1つで済む、頼りになる存在です。
GM
39×32×19cm
公式オンラインサイトでの価格:203,500円(2021年7月現在)
1泊旅行の際にも活用できそうな大きなサイズ。MMよりも幅も高さもマチもかなり大きくなっており、普段使いとしては大きすぎる印象です。
ネヴァーフルのメンテナンス
ネヴァーフルの特筆すべき点は、非常に丈夫であること。それでも、天部や底角がこすれたり、持ち手が色落ちしたりなど、年月が経てばダメージが目につきます。
もちろん、ルィ・ヴィトンの正規店でもリペアサービスを行っています。
リペアサービス|ルィ・ヴィトン
ただし、並行輸入品、海外購入品、領収書や購入保証書がない場合は、受け付けてもらえず、修理代金が高く、修理に6週間程度かかります。しかし、ネヴァーフルは普段愛用する方が多いので、長期間使えないのは困りますね。
そこで、おすすめなのは、修理専門店での修理ですが、大切なネヴァーフルを預けるのですから、以下のポイントを抑えて選びましょう。
①染色技術が優れている
使用頻度の高いバッグは、大切に使っていても、天部や底角などがこすれて色落ちすることが多いです。染色を施すことで新品同様の輝きを取り戻しますが、色の選択から再染色(リカラー)の技術まで技術力の高いお店を選ぶ必要があります。
②持ち手を本物のそっくりに作り変える
ネヴァーフルは持ち手部分も二重になっており非常にしっかりしていますが、それでもバッグの構造上ダメージを受けてしまうのが多いのは持ち手です。場合によっては、持ち手を修復ではなく、新しいものに作り変える必要もあります。新しい持ち手の素材とそれを取り付ける技術が必要です。
③再メッキ加工ができる
金具部分が経年劣化でくすんでしまっていると、使い込んだ感じになってしまいますね。ブランドの金具は手に入りませんので、ロゴを傷つけることなく、新品のような仕上がりにすることです。
ネヴァーフルは使用頻度の高いバッグで、毎日使うという方も少なくないでしょう。だからこそ、定期的なメンテナンスは大切。さらに、日々いたわりながら使うことで、美しいフォルムのまま使い続けられます。