変色してしまったトリーバーチのトート
布キャンバス、塩ビ素材、本革エナメルといった複合素材がミックスされて作られた TORY BURCH(トリーバーチ)のバッグ。
こちらは色鮮やかな赤い花が印象的なトートですが、経年変化でキャンバス地が変色してしまったとのご相談です。
クリーニング前のお品物

大きく変色が確認しています

赤い花の柄も黄ばみが見られます
マスキングして漂白を行いました
布キャンバスをベースに、ベルトとロゴには塩ビ、バッグの底には本革エナメルが使われています。
異素材がMIXされたバッグのクリーニングは、各素材やパーツごとに洗い方や注意点が異なることを考慮して作業しなくてはいけません。
素材ごとに最適な作業となるように、その都度、作業外の場所はマスキング。
今回の場合ですと、まずは底部分に使われているエナメルコーティングしてあるレザーを保護した上で、キャンパス地を洗浄しました。
時間が経過した汚れは、酸化してしまい、簡単に落とすことのできないシミになってしまうこともあります。
今回のキャンバス地の変色も、通常のクリーニングでは落とすことができませんでした。
そこで、特殊な漂白液を使い、変色箇所の色素を少しずつ分解させる作業を行いました。
ここでも、底の本革エナメル部分、ベルト部分は漂白すると黄変してしまいますので、保護してからの作業です。
クリーニング・特殊漂白後のお品物


素材を傷つけることがないよう、経験豊富な職人が、手作業で慎重に漂白作業を行った結果、バッグのポイントでもある発色が美しいプリントのキャンバス地を復元いたしました。